コンポポ山物語 第5章 戦い(※ここをクリックで音声で聴くことができます)
ウガー グーグー ・・・・人間どもは大きないびきをかいて寝ています。
と、 突然!
ガオー・ギュルギュル ・グワー 大きな音が住処の周りで聞こえました。
人間どもはびっくりして飛び起き、恐る恐る外を見ました。
すると!大きな熊やライオン、それに狼やらがいっぱい住処の周りを取り囲んでいます。
目はギラギラと輝き、口を大きく開け、今にも襲ってきそうです。
「おい!大変だ!猛獣が住処の周りを囲んでいるぞ!」
「弓矢はあるか!刀は!」
「まてまて、今攻撃すると反撃される。少し様子をみろ!」
人間どもは一睡もできず、一晩中身構えていました。
夜があけると、いつしか獣達もいなくなりました。
ほっとしたのも束の間、今度は狐たちが住処の周りでいたずらをしはじめました。
「クソっつ!今度は狐かよ!」
「住処の周りはおかげでぐしゃぐしゃだ!」
追っ払っても、追っ払っても、キツネたちは住処の周りでいたずらを始めます。
その日はとうとう外に出ることもできなかった人間ども・・・・・・
その夜、眠ろうとすると、猛獣の鳴き声が轟きます。
そして、今度は 住処の周りを猛スピードで駆けずり回ります。
ドドドドドドド・・・・
何やら凄い音が聞こえてきます。外を見ると、
猛獣が勢いよく住処に向かって突っ込んできます。!
「に・逃げろ!潰されるぞ!」
「わあっ。」
人間どもは一斉に住処を出て、海岸に向かって一目散に駆け出しました。
海岸には一艘の船が停まっていました。人間どもはその船に飛び乗り、
沖へと漕ぎ出したその時です。
今度は海の中から、大入道やら 鯨が人間の乗った船に襲い掛かりました。
「わあ 助けてくれ!」「くわばら くわばら」「神様・仏様」
「南無阿弥陀仏・南無阿弥陀仏」
ついには念仏まで唱えるほどに・・・・・・
こうして、人間どもは コンコン島を逃げ出したのです。
実は、大熊やライオン・狼や大入道、鯨は すべて風水師のポン吉の魔力だったのです。
鹿やウサギなどを化かして周りに集めておきました。大声や叫び声は、みんなが協力して
メガホン等をつくって騒いだのです。
最後の猛獣の突撃は、実は猪を集めて突進させたのです。
人間どもの追い出し作戦は大成功となりました。
「ポコポ殿 ありがとう。おかげでこのコンコン島にも又平和が戻った。」
「なんの これしき。 でも いつ又人間どもが上陸してくるかわからない。」
「島の周りに防護堤防を作られることを提案します。出入り口は一箇所。
その出入り口の見張りを強化しておけば、今後の事態にも対処できると思います。」
「なにからなにまで 本当にありがとう。
今日は島中でみんなにお礼がしたいので、楽しんでいってくだされ。」
「恐れ入ります。それではそうさせていただきます。」
ポコポ一行は、キツネ族の歓待をうけることになりました。
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