コンポポ山物語 第3章 作戦 (※ここをクリックで音声で聴くことができます)
執務室に戻ったポコポは、ふうっと深い息を吐き出しました。
その昔、タヌキ族とキツネ族はこのぽんぽこ島で大きな争いをしました。
もともとは、同じ犬族の仲間ではあったのですが、
仲違いが激しくて、いつもいがみ合っていました。
伝説の頭領ポコは、こうした仲違いを憂い、大きな戦いのあと、
ぽんぽこ島のはるか南の島(コンコン島)にキツネ族を移住させました。
それで、双方はそれぞれの島での生活をしていたのですが、
今回のことで、キツネ族との接点が、又出来てしまったのです。
さて、・・・・どうしたものか・・・・・
「何を考えているのだい?」
執務室にはいってきたのは、風水師のポン吉でした。
「おお、ポン吉か。今日は何か用があったのかな。」
「いいや、しばらく頭領の顔を見ていなかったし、それに何か筏が流れ着いたとの噂を耳にしたものだからね。
誰が乗っていたのだい?」
「キツネ族の娘だ。」
「ほう、 キツネ族か・・・・
また、えらい騒ぎになるかもしれないな。」
「防衛隊長のココポを呼んだほうが良いのではないかな。」
「うん。すでに知らせを送ったよ。」
そうこう話をしていると、ココポが執務室に入ってきました。
「頭領! キツネが上陸したって?
どういうわけだ?また昔のように戦にでもなるのか?」
「そうではないよ。」
ポコポは今までのいきさつを、二人に話しました。
「そうか・・・人間どもがコンコン島にか・・・・・」
「このままでは、いずれ このぽんぽこ島にも来るかもしれないね。」
「そこで 相談なのだが、今後のぽんぽこ島の防衛体制と、コンコン島をどうするかだが・・・・」
「コンコン島のことなど放ったらかしておけばどうだ?」
「でも、実際、党首の妹が助けを求めて、この島に流れ着いた・・・・。
私としても、このまま知らぬ顔はできないよ。」
「防衛隊を引き連れて、コンコン島に行くか。」
「でも、そうすると、タヌキ族の侵略だと思われてしまうかも知れないし・・・」
「そこで、相談だけど、我ら3人と、あと少数の隊員とこっそり上陸して、
人間どもを退治するっていうのはどうだ?。道案内は当然キツネの娘だが・・・」
「この島の防衛体制はどうするのだ?」
「3名の副官にそれぞれの地域を見張らせ、中央には防衛隊を配備する。
そして、ポン吉。島全体にシールドは張れそうか?」
「それは大丈夫。おいらの風水の力をもってすれば、たやすいことさ。」
「よし!判った。そのような体制で行こうか。詳細はこれから詰めていこう。」
ポコポ、ポン吉、そしてココポは 段取りを綿密に練り上げました。
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