<ポンポコ島物語>
その1:ポン助のはなし
ポコポン山に住むポン助は山のてっぺんの草むらにねころんでぼんやりとあたりを見ていました。
南の方角には三つのとがった形をしたコンポポ山があり、その隣にはポンポコ山の姿も見えます。
ポン助はゴロリと横をむきました。と、目の先にポンコポ山とポコンポ山のふたつ山が見えました。
ポン助はあわてて向きを変えました。
なぜって?そこは、昔から恐ろしい魔物がすんでいるとの言い伝えがある山だからです。
このふたつ山はまわりを深い谷にかこまれていておいそれとは行くことができません。
でもポンポコ島のどこかに、ふたつ山へ通じる隠し道があるとのことです。
ポン助はぼんやりと空を見上げていました。するとそこに<雲>が通りかかりました。
ポン助は<雲>にむかっていいました。
「お〜〜い雲よ、おいらをポンポコ山まで連れてってくれ。」
すると<雲>は答えました。
「いいとも、おやすいご用だ。でもこればっかは、私だけでは決めれない。
<風>さんにたのんでおくれ。」
そこで、ポン助は<風>に頼むことにしました。丁度いい具合に<風>が通りかかりました。
ポン助は<風>にむかっていいました。
「おおい 風よ、おいらをポンポコ山まで連れてってくれ。」
すると<風>は答えました。
「いいとも、おやすいご用だ。でもこればっかは、私だけでは決めれない。
<お日様>にたのんでおくれ。」
そこで、ポン助は<お日様>に頼むことにしました。
しばらくしていると、<お日様>が赤い顔をしてやってきました。
ポン助は<お日様>にむかっていいました。
「おおい お日様、おいらをあのポンポコ山まで連れてってくれ。」
すると<お日様>は答えました。
「私はポン助さんをあそこまで連れてはいけないよ。
だって、私といっしょだとポン助さんは溶けてしまうよ。雲にたのんでごらん。」
「雲にたのんだら、風にたのめって。風にたのんだら、お日様にたのめって。
お日様にたのんだら、雲にたのめって。…・いったいどうしたらいいんだ?」
「ははははは。そういうことか。」<お日様>は大きな声でわらいました。
そしてポン助にいいました。
「ポン助、いいともおやすいご用だ。
でも今日はダメだ。明日の朝<雲>を呼びにやらせるから、それまで待ってておくれ。」
<お日様>はそう言うと姿をかくしてしまいました。
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