ポンポコ島物語
その 6 出会いそして その2

{おぎゃ〜おぎゃ〜}本当にこんな風に泣いたのかどうかはわかりませんが、
ポコンポ山の統領に待望の二世が誕生しました。

「おおでかしたでかした。よくがんばったな」
「あなた、わたしうれしい。こんな可愛い子どもが、二人も生まれるなんて。」
「うんうん、とても元気そうな男の子じゃ。早速名前をつけねばならんの。」
「ええ、 ねえあなた この子達の名前私がつけてもいい?」
「うん? いいとも なにか良い名前があるのか?」
「ええ、私決めてたの。男の子だったら ポコ、コポ、女の子は生まれなかったから・・・、
でも もし生まれていたら ポポ」
「ポコ、コポか。 うん とても良い名前じゃ。よし!ポコとコポに決めたぞ。」
「あなた・・・」
「わっはっは 今日はとても気分が良い。 早速 若頭達に 誕生会の準備をさせねば。」
「でも あなた ポコとコポは今生まれたばかりよ。」

「ははははは 勿論誕生会は7日後じゃ。 で、それまでおまえは体を早く回復させるのじゃ。
おれが一杯食べ物を取ってきてやるからな。 早く元気になってくれんと、おれも寂しいからな。」
「あ あなた・・・。」
「おいおい 何を泣いておる? そもそもわれら タヌキの一族はもともとは かかあ殿下じゃ。
女のおまえがそんなふうではわれら一族の将来は不安ぞ。」
「まあ なんてことを・・・」
「ははは ゆるせ。本当に今日は気分が良い。 ああ 楽しみじゃ。早く誕生会にならぬかの。」

統領はとても良い気分でした。
1日がまたたく間に過ぎ、二日目となり、三日めとなりました。統領は妻のためにせっせと
食事を運びます。そしてポコとコポの世話をこまめにやっておりました。
その顔はほころんでいて、時折妻や若頭にもっと威厳をもつようにと言われるのですが、
その顔は変わりません。ポコ、コポはこうして幸せな日々を過ごしておりました。

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