ポンポコ島物語
その 4 コポポン山の仙人タヌキ

タヌキ暦13歳になるポポンは、相当年老いたタヌキです。
時折 ポンポコ山のはるか向こうに見えるポコンポ山とポンコポ山をながめては、ため息をついておりました。

実のところ、タヌキの世界では4〜5年でその一生を終えるのがほとんどで、8〜10年も生きているのは大変
めずらしいことです。そんなタヌキが13年も生きているというのは、まさにタヌキ世界では国宝級?な存在です。

さてさて話が少し横道にそれてしまいました。

賢明な皆さんは、
”ポポン”という名前をお聞きになって{おや?}と思われたことと思います。
そうなんです。このポポンは、何をかくそう実は風水師なのです。ポコンポ山での狐族との戦いの後、
あちら側とこちら側の間に深い谷間を創ったのは彼なんです。でも、あれから早や3年・・・・・
ポポンはすっかり年老いてしまいました。もう後いくばくも力がありません。風水師としての力はもうありません。
その証拠にポポンのシッポにはもう赤いところは見当たらず、ほとんど白くなっておりました。

風水の力はタヌキのシッポにあります。タヌキ族に代々伝わるある儀式によりそれは受け継がれていくのです。
その力は、今から1年ほど前にひ孫のポン助に引き継がれました。

おや?
ポン助?・・・そうです。このポンポコ島物語の その1 ポコポン山のポン助のお話の中に出てきましたね。
でも、ポン助は自分がまだ風水師なんてことはまったく知らないのです。ですからその使い方も力もわかりません。

そのポン助は狐族の黒雲に乗り、ポコンポ山へと向かったはずです。

ポポンは先だってこのコポポン山で出会ったコポという若者が、早く会いに来るのをまっておりました。
自分が生きている間にぜひとも伝えておく事があるからです。
この前、そのコポが薬草を採りにきた時、少し試しました。まさに彼はタヌキ族の戦士の一人だったのです。

つづく