ポンポコ島物語
その 4 コポポン山の仙人タヌキ の2

あの日、確かに戦士を見つけたのです。
これで 戦える!あの狐族を追い出す事ができる。早くそうなって欲しい!と思っていたポポンは年老いた体に
鞭打って準備をはじめました。

コポポン山のあちらこちらから、薬草を採ってきてそれを調合しました。調合といっても人間とはちがいます。
ただちぎってまぜるだけですが・・・・・山の隠し穴から武器も取り出してきました。そして最後に山のてっぺんから
ねむの木の枝を折ってきました。
これですっかり準備ができました。後はコポ達を待つだけです。

長い冬が終わり、春が来ました。14歳となったポポンは、もうあたりの景色もみることすら出来なくなりましたが、
ただ一途にコポたちが尋ねてくるのをまっていました。

空高くうぐいすが大きな声で鳴きました。
「こんにちは、おいら コポです。」
やってきました ポコとコポの二人がいえ二匹が!ついうとうととしていたポポンですが、その声を聞いたとたん
寝ていた体をキっと起こし「おお、早くこっちへ!」と大きな声で答えました
ポコとコポはその声をきき、ポポンのところにやってきたのです。
ポポンには二匹のりりしい姿がはっきりと見てとることができました。
「おお 待ちかねたぞ!」「お前たちは あのポコンポ山へいくつもりで来たのか?」
二匹はただ黙ってうなずきました。
「そこに道具や武器はすべてそろえてある。それを持っていけ!」
「お前たちは、お前たちの生まれた時のことはすでに聞いたと思う。お前たちの親父様とおふくろ様は
とらわれの身となって牢屋に入れられていると思う。一刻も早く助け出してくれ。それに 多分あちこちからつれて
こられたものたちが奴隷としてつかわれておる事と思う。もちろんその中には人間どもいる事と思うが、われわれ
タヌキ族とは昔より仲が良いからついでに助けてやってくれ。」

「われわれタヌキ族にはその昔より風水の術を持つものがおる。わしもその一人だったが、
今はポン助というものがその力を受け継いでおる。だが、そのものは自分にそんな力があることを
多分知らないと思う。お前たちとちがってシッポが真っ赤だからすぐわかるじゃろう。
ぜひ探し出し仲間に加える事じゃ。」

「キツネ族の中に同じように赤いシッポをもったものがおるはずじゃ。そいつを見つけ出しシッポを切り取るがよい。
そうすれば もう風水は使えなくなるはずじゃ。もともとはタヌキ族のみに伝わる術、
他のキツネが会得することはない」

「コポよお前は戦士の力を授かっておる。ポコよお前は勿論統領としての力をもっておる。お前の統率力でぜひとも
にっくきキツネ族を倒してくれ。そして 二度とこのポンポコ島に立ち入らぬように追い出してくれ。」

「ゴホゴホ・・・・ポコンポ山にいくのにはおいそれとはいかぬ。
ここよりはるか北、ポンポコ山とコンポポ山の間を通り抜けコポンポ山に行くがよい。
そこに小さな洞穴があるのでその中に入るがよい。その洞穴のなかは迷路となっておるが、
そこを上手に通り抜けてくれ。もしそこでつまずくと、外に放り出されてしまうから注意しろ。」

「ゴホゴホ・・・・・・・そこを通り抜ければ、目指すポコンポ山じゃ。む!・・・・・」

「じさま!」

「ゴホゴホ・・・・・・大丈夫じゃ。ゴホゴホ・・・最後になったが、このねむの木を渡す。
これは向こうについたら使うのじゃぐるぐるとまわすとたいていのキツネたちは眠るじゃろう。
だがそれ以外のところでは使うな!皆寝てしまうからな。」


ポポンはあるたけの力を出し切りポコとコポに話しました。
二匹の若者はポポンの話を聞き終えコポンポ山へと向かいました。まずは迷宮を通り抜けなくてはなりません。

二匹のたくましい姿を瞼に焼き付け、ポポンは静かに深い眠りにつきました。

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